北斗の拳というのは『北斗宗家の秘拳』ってのがあり、まだそれほどメジャーじゃなかった仏教を中国でも広めてもらうために、時の皇帝、英雄を守ることにより認めてもらおうとしたのが最初。
泰聖殿ってところで編だされた拳法ね。かなり強かったらしい。
でも、あまりに完成されつくされた拳法だったため、受け身も同じくらい完成されてしまい、北斗の同門同士で戦っても、まるで決着がつかない拳法にになってしまったという。
それを憂った仏門のジジーたちが、新たに西域にある、経絡秘孔を扱う殺人拳である『西斗月拳(さいとげっけん)』に目をつけるわけ。これを俺らの秘拳に加えたらマジ最強じゃね?的な。
とは言ったものの、北斗の系統にずっと男子が生まれなかったので、研究が進んでいなかったんだよね。
そんな時に同じ仏法徒の女子2名、シュメとオウカが同時に男子をひとりずつ産むんだ。シュメの子がシュケン、オウカの子がリュウオウね。
男子が二人も生まれちゃったけど、宗家の秘拳はこれから一子相伝にするって決めちゃってるからどうしよう、とジジーたちが慌てるんだけど、取り敢えずふたりとも外において、どっちか狼に食べられたら、残った方を継承者にしようとか言い出すわけよ。親のシュメとオウカにしてみればひどい話。それに二人のうち片方しか死なないとかどういうルールなんだろうか?的な。
で、実は更にひどい話があって、シュメって不治の病に犯されてたんだよね。自分が死んで、更に息子も死んだらもう目も当てられないじゃん?だからシュメはそっと、自分の子だけをつれだしちゃうんだけど、それがジジーたちにバレちゃう。
掟を破ったシュメに頭にきたジジーたちはオウカの子、リュウオウを宗家の拳の伝承者にしようとするけどさ、その場でシュメの不治の病を知ったオウカが、かわいそすぎるってことで、自分の子じゃなくてシュメの子シュケンに伝承者を譲るっていうんだよ。
当然ジジーたちはそんなのしらねー!関係ねー!って突っぱねるんだけど、オウカが、命をかけてのお願いです!といいながら、なんと飛び降り自殺するんだ。描画からして高さは100mを優に超える高さの崖。そもそもどうやって登ってきたんだ?的な疑問もあるけどあえてふれないでおこう。そしてジジー達が大感動して大泣き。オウカの愛の深さにふれて、はれてシュケンが宗家の伝承者となるわけ。これが北斗の悲しい歴史の始まり。
で、ストーリー的にはリュウオウはもうこの先活躍しない。終わり。
シュケンはまず徹底的に北斗宗家の秘拳を叩き込まれる。その後ジジーたちが密かに進めていた、西斗月拳との交流をシュケンにやらせるわけ。奴らと寝食を共にし、西斗月拳のなんたるかを得よ!と。
で、シュケンには実は特命があるわけ。西斗月拳の奥義を極めたら、その証拠を消すために、月拳士全員を殺せ!という内容。
ずっと何年も兄弟同然に生活していた西斗月拳の仲間を全員皆殺しにしちゃうんだよね。悲しいよね。
月拳士の中には恋人同然の女の人もいたのに。
そうやって、北斗宗家の秘拳と西斗月拳の経絡秘孔の技があわさったのが、北斗神拳なんだよ。組み合わせが完成したのが、洛陽の白馬寺ってお寺。ここで北斗神拳が生まれた。
ま、こんな話があるから、月拳士を皆殺しにされた西斗月拳の門下生からはすごく恨まれることになるんだ。当たり前だよね。
んで、やっと北斗神拳ができたので、国の偉い奴守れるぜ!そして仏教も守られるぜ!っておもったら、三国時代になって、偉い奴が3人に増えちゃったもんだから大変だよ。北斗神拳は国の英雄を守るというたてまえがある以上、しょうがないので北斗神拳使えて強い奴を3人に増やして、魏(曹家)、呉(孫家)、蜀(劉家)それぞれに送ったわけ。元々の北斗神拳の伝承者は蜀にいったので、蜀の劉家北斗神拳が正当ね。だから曹家とか孫家の北斗神拳は、劉家をサポートしてたわけさ。そして、何年も、そんな流れでうまくやって来てた。三国も保たれてた。
ところがある時代に、劉家の北斗神拳の奴が、日本から来た日本人と一緒に日本に移住しちゃうわけよ。まぁ日本に行ったとしても北斗神拳の伝承者ってのは変わらないから、やっぱり認めないといけないんだよね。
中国に残ってる劉家の奴らも、ふざけんなよ!って思いながら、日本に移住した本家を応援せざるを得ない状況になっちまう。
あと、北斗一派には変なルールがあって、もし北斗神拳(日本に移住した奴)に伝承者が生まれなかったら、悪いんだけど劉家拳(中国に残ってる方)から出して!とかってルール作られちゃったからもう、中国にいる劉家北斗神拳は大激怒よ。俺たちおまけかよ!それってただの代理じゃん!みたいな。
それに更に別のルールもあるんだ。北斗神拳じゃなくて劉家拳から伝承者が出た場合、なんと本家の北斗神拳の伝承者候補と戦って勝たないといけないという。なにこれ?って感じ。勝たないと伝承者失格ー!!!みたいな!!!
更に、実は劉家拳って一度も本家の北斗神拳に勝ってないらしいんだよね。そういう黒歴史もあるんだよね。劉家拳の、本家北斗神拳に対する憎しみはこうやって生まれたわけさ。
元々北斗宗家の秘拳がインド系仏門だったのもあるけど、劉家拳は本家北斗神拳に勝つためかどうか知らないけど、とにかく闘気を扱う方向に進むんだよね。当然インド色も強く残ってて、サンスクリット語などを駆使し、魔闘気とかいう邪道に進んじゃうんだ。これは愛する者すらその手にかけてしまうという、恐ろしい覚醒拳法。
で、なんだかんだ北斗神拳に文句言いつつも、劉家拳は一度も勝ててないから、そのうち北斗の劣化版みたいな扱いを受けて、本家の従者みたいな扱いにされちゃうわけ。悲惨だよね。カイオウがあれだけ強くてもヒョウの従者だったのはそれね。
ヒョウ(と弟のケンシロウ)は北斗神拳創始者シュケンの末裔とされてて、カイオウたち4兄弟(カイオウ、ラオウ、トキ、サヤカ)はオウカの子リュウオウの末裔とされてるんだけどね。だからカイオウにも北斗の継承者としての資格である7つのあざがあるんだけど。
カサンドラでウイグルがケンシロウの技を見て『さすが劉家北斗神拳』っていうけど、これは北斗神拳って実は使う人によって技が全然ちがうので、何か北斗神拳っぽいから、あれかな、劉家かな、ってあてずっぽうで言ったと思われる。まぁ劉家北斗神拳から本家北斗神拳の伝承者が別れたので、系統は一緒なので、間違ってはいないけどね。
ちなみに余談だけど、ケンシロウはラオウにフルボッコにされながら北斗神拳学んだので、実はラオウとケンシロウは技がすごく似ているのはそのせいね。剛衝波とか同じだし。
まあ一子相伝とか言いながら3つに別れて、更に門下生も増やしちゃったからこんなことになったんだろうけどね。
で、中国の“元”本家である劉家北斗神拳(北斗劉家拳)は、多分沖縄経由で入ってきたのかもしれないけど、『劉』が『琉』に代わり、日本では北斗琉拳と言われるようになるんだよね。まぁ相変わらず北斗神拳を憎んでるわけですよ。その後逆輸入的に、中国でも北斗劉家拳を北斗琉拳といったりするようになる。シャチとかそう言ってるしね。
で、この北斗琉拳、なんとオウカの子、リュウオウが作ったって話になってる事があるんだけど、そんなことはないんだよ。だって、リュウオウは北斗神拳創始者のシュケンと同じ日に生まれたのが今から約2,000年前。三国時代が今から1,800年前だから、200年以上生きたことになってしまうわけ。
というわけで、シュケンは実際に北斗宗家の秘拳と西斗月拳を合せて北斗神拳をつくったけど、同い年のリュウオウはただ北斗の門下として生まれただけで、何の活躍もしてないと思うんだよね。まぁ伝承者としての資格はあったわけだけどね。
あえて言うなら、シュケンの裏で別の拳法を創始し、その拳法は闘気を扱うのに長けたものだったという可能性はあるんだ。その技がどういう経緯かわからんけど、北斗劉家拳、つまり北斗琉拳につながった、という考えも無くはない。
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